日々読む小説の中から
『モンテ・クリスト伯』
〜 フランスの文豪アレクサンドル・デュマの作品 〜
『モンテ・クリスト伯』は、日本では、
『巌窟王』という名で児童向けに読みやすくしたものもありますが、
原作は、文庫で全7巻におよぶ長編小説です。
小説の導入部分をご紹介します。
船乗りを営む主人公エドモン・ダンテスは、聡明で、人柄がよく、見映えも立派な好青年です。
愛する恋人メルセデスとの結婚式の日、ダンテスは、陰謀により、突然逮捕されます。
このたくらみをくわだてたのは、3人の男で、ダンテスの地位を妬むダングラールと、
欲深いカドルッスと、メルセデスへの恋心をあきらめきれないフェルナンでした。
ダンテスは投獄され、幸運の絶頂から不幸のどん底へと突き落とされてしまいます。
無実の罪をきせられたまま、ダンテスはついに、海の上にそびえたつ、
奇怪な岩におおわれたおそろしい牢獄シャトー・ディフに連れていかれます。
牢獄に閉じ込められ、生きる望みも感じられなくなり、
ダンテスは、発狂寸前にまで追いやられます。
ところがそんなある日、ダンテスは、牢獄の壁に、物音を聞きつけます。
隣の囚人が牢屋の壁を掘っている音だと気づいたダンテスは、
自分も音のする方向に向かって、夢中で壁を掘り始めます。道具なんてもちろんありません。
部屋にあった水差しを割ってその破片を使って、少しずつ少しずつ壁を削りました。
毎日毎日働き続けた結果、とうとう隣の牢屋との間に、
人間ひとりがやっと通れるだけの穴ができます。
隣の囚人は、ダンテスと同じように、無実の罪で投獄された、ファリア司祭という老人でした。
ファリア司祭は教養豊かですぐれた人物でした。ダンテスは司祭から、
数学、物理学、歴史、外国語を学びます。
ダンテスは、驚くべき記憶力と素晴らしい理解力を持っていたので、
1年後には、見ちがえるようになっていました。
こうして、ダンテスとファリア司祭は、親子のような固い絆で結ばれていきます。
月日が流れ、年老いたファリア司祭のもとに死が訪れます。
ファリア司祭を看取ったダンテスは、司祭の亡骸(なきがら)のそばで、
一人ぼっちの寂しさにふるえながらも、ふとある考えが浮かびます。
嚢(ふくろ)に入れられたファリア司祭の亡骸と入れ替わって、
牢獄を脱出しようという計画でした。
この計画は果たして成功するのでしょうか
この続きは、ぜひ本でお楽しみください。